カウンセリング頻度の決め方
「カウンセリングって、どれくらいのペースですれば良いですか?」
この問いは、クライアント(カウンセリングを受ける人)から私がよく聞かれる質問のひとつです。カウンセリングは、その効果を最大限に引き出すために、適切な頻度で行うことが大切になりますが、
今回は、
・一般的なカウンセリングの治療の枠組に基づいて定期的に実施する方法
・クライアントの都合に合わせて柔軟なスケジュールで実施する方法
この2つの方法のメリットとデメリットを比較し、カウンセリングの頻度について詳しく解説していきます。最後にカウンセラーとしての私の考えも少し書きました。
【スケジュールされた定期的なカウンセリング】
例えば、「週1回:毎週月曜の夜9時から50分間」というように決まったスケジュールでカウンセリングを継続する方法です。
メリット
- 一貫性と安心感の提供
定期的でスケジュールされたカウンセリングは、クライアントに「一貫性」「安心感」を提供する、と言われています。具体的には、
毎週同じ時間にセッションを受ける
↓
とりあえずこの1週間を乗り切ろう、と思えるようになる
↓
定期的なカウンセリングを行うことで、日常生活のルーティンの中にセッション(治療)が組み込まれていく
↓
治療を続けていくことへの負担感が減っていき、クライアントは安定した支援を受けることができる
この流れは、特にストレスや不安が高い方には良いかもしれません。 - 治療効果の最大化
定期的なカウンセリング毎に目標設定や課題などをこなしていくことで、問題を段階的に解決しやすく、また変化に気付きやすくなります。 - 信頼関係の構築
定期的に話し合うことで、緊張や不安は段階的に軽減され、カウンセラーとクライアントの間に信頼関係が構築されやすくなります。信頼関係は、クライアントが安心して自分の感情や考えを共有するために必要で、治療の基盤になるものです。
デメリット
以下の理由から、セッションを受けること自体が負担になってしまうことが最大のデメリットになります。
- 柔軟性の欠如
ライフスタイルや仕事によっては、セッションの定期スケジュールを設定することが難しい方がいらっしゃいます。忙しくて時間を確保できない場合や、急な予定変更や予期せぬ出来事には対応しづらいです。 - 費用の負担
定期的なカウンセリングが長期間にわたると、費用がかさみ経済的負担が大きくなることがあります。
【クライアント希望のスケジュールで柔軟に行うカウンセリング】
メリット
- 柔軟性の提供
クライアントの都合に合わせてカウンセリングを行うことで、「できる時に」「必要な時にだけ」セッションを受けることができるため、忙しいライフスタイルに適しています。 - 経済的な負担の軽減
「特定の問題に対処する際など、必要な時にだけカウンセリングを受ける」ことで、定期的なセッションに比べて頻度は少なくなることが多いため、経済的な負担が軽減されます。 - 自分のペースで受けられる
クライアントは、「急な問題やストレスが発生した際にだけサポートを受ける」など、自分のペースでカウンセリングを進めることができます。
デメリット
- 一貫性の欠如
不定期なカウンセリングは、一貫性・継続性に欠けるため、問題解決が遅れる可能性があります。進行状況や変化が見えづらく、目標設定が難しくなることがあります。 - 信頼関係の構築が難しい
定期的に話さない場合、信頼関係を構築するのに時間がかかる場合があり、本当に話し合いたい内容に入るまでさらに時間がかかってしまうことがあります。 - 効果の低下
一貫して継続したサポートが提供されないため、カウンセリングの効果が低下する可能性があります。クライアントの自己判断で希望する時だけセッションを受けると、「本当にセッションが必要なタイミング」に気付けなかった場合、根本的な問題の解決が難しくなることがあります。
まとめ
カウンセリングは「定期的に実施する場合」「柔軟なスケジュールで実施する場合」の2パターンがありますが、それぞれメリットとデメリットが存在します。どちらが良いかは、クライアントの特性やお悩み、また経済状況や生活状況によって総合的に判断していくことになります。
私が日々カウンセリングを提供して思うことは、「お悩みを解決するための手段であるカウンセリングを受けること自体が、しんどくてプレッシャーになっては本末転倒」であるということです。
最初からどちらのパターンが良いか分からなくても大丈夫。一緒に相談しながら、「無理のないペースで」「でもきちんと効果のある」カウンセリングの頻度について一緒に考えていきましょう。継続していく中で、頻度が変わったり、不定期から定期に変わったりすることもあるかもしれません。その時々のあなたの状況に応じて、適切な方法を探していくことができますよ。
For a Better Tomorrow
より良い明日のためのサポートになれば幸いです
Mariko